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2004/01/14

反射量の表し方

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マイクロ波の基礎

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「終端負荷と反射」では、反射係数について説明しました。今回は、その他の反射量についてみてみましょう。

まず、反射係数について復習します。

1.反射係数

図(a)のように、ある負荷ZLに電圧の振幅がViである信号を入力すると、ZLが特性インピーダンスZ0とマッチングが取れていない限り、信号の一部が反射して返ってきます。反射してくる信号の電圧振幅をVrとします。このViとVrの比は反射係数と呼ばれ、以下の式で表されます。


図(a) 反射係数

「終端負荷と反射」で見たように、ZとZを使っても計算できます。

VとVは振幅と位相で表現できますので、反射係数Γも大きさρと位相φで表されます。

2.リターンロス

反射係数の大きさρのデシベルはリターンロスと呼ばれます。カタカナ表記は長いため、通常RL(Return Lossの頭文字)と表示します。

-符号が付いていることに注意してください。ρは必ず1より小さくなります。いちいちマイナスを付けて言うのが煩わしいため、あらかじめ正の数字になるようにしているのです。

3.VSWR

図(b)をご覧ください。入射信号と反射信号が存在する場合、信号が伝送線路上を行ったり来たりすることにより、信号はある干渉パターンの中で変化するようになります。この干渉パターンは定在波と呼ばれます。


図(b) 定在波

定在波の電圧振幅の最大値Vmaxと最小値Vminの比は定在波比(SWR, Standing Wave Ratio)または、電圧定在波比(VSWR, Voltage Standing Wave Ratio)と呼ばれます。これらの関係を式で表すと、以下のようになります。

4.まとめ

最後に、負荷ZLがZ0、Open、Shortであった場合に、これらの反射量がどのようになるかを表(a)にまとめておきます。

これらの関係は重要ですので、覚えてしまった方が良いでしょう。

表(a) ZLと反射量

  ZL=Z0 ZL=∞
(Open)
ZL=0
(Short)
Γ

0

1 -1
ρ 0 1 1
RL ∞dB 0dB 0dB
VSWR 1

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